あ、りょうが出てる…
突然ですが、日本史が好きです。
武士が好きです。
英語で海外向けに武士を紹介するブログを書くくらい好きです。
アクセス数は伸びないけれど。
中でも戦国時代が大好きなので、今年の大河はちょっと不満。
来年もね。
まぁそれはそれとして、今日も以前書いた絵本原作?というか童話?を書いてみようかなぁと。
けっこう個人的にお気に入りだったので、このまま埋もれさせるのも忍びなく。
「トマト男爵が怒った」という作品です。
--------------------
「う~ん、う~ん」
もう何日も、けんちゃんはぐっすり寝ていません。毎晩毎晩、こうしてうなされているからです。
それというのも、実はこんなことがあったから…
けんちゃんはトマトが大っ嫌い。ご飯のおかずに出てくると、必ずわきにどけてしまいます。ママが叱ってもおかまいなし。
「だって、美味しくないんだもん」
ですって。
いつもはそれで済んでいたけど、昨日の夜はちょっぴり違いました。ママが、
「だったら、このハンバーグも食べてはいけません」
と、けんちゃんの大好きなハンバーグを取り上げてしまいました。
そのとたんにけんちゃんは大騒ぎ。わぁわぁ泣きながら暴れだしました。そうしたら…
ガシャーン!
サラダのお皿が割れて、トマトはキッチンの方に飛んでいきました。
あ~あ。
その夜、ママに叱られたけんちゃんは、ママのお布団からちょっぴりだけ離れて、泣きながら眠りにつきました。
しかし…。
「おい、けんちゃん!」
誰かが何度も大声でけんちゃんを呼びます。
「おい、けんちゃん!」
あまりの大声に飛び起きたけんちゃんはあたりをきょろきょろ。
すると、大きな大きなトマトが目につきました。でもこのトマト、変なんです。トマトなのに身体があって、服も着ていて。目は無いけど、どうやらこちらを見ているよう。
「おじさん、誰?」
勇気を出して聞いたら、何とそのトマトが答えました。口も無いのに、喋るんです。
「わしは、トマト男爵だ」
トマトが答えました。
「やいけんちゃん、今日わしをキッチンの方に投げ出したな。お前さんがトマト嫌いなのは知ってたが、まさかそんなことをするとは!トマトの世界では重大犯罪だぞ!」
トマトの世界のことなんて知りません。
とっさにけんちゃん、
「ぼ、ぼく知らないよ」
と嘘をつきましたが、
「い~や、たしかに見たぞ!嘘までつくなんてますます許せん!トマトの世界なら百叩きの刑だ!」
と、赤い顔をますます赤くさせて怒り出しました。
トマトの世界のことなんて知りませんが、百叩きも嫌です。
「ご、ごめんなさい」
けんちゃんはすぐに謝りました。
でもでも…
「だけどぼく、トマトは嫌いなんだ。食卓に出てこないでくれたら、もうあんなことしないよ。」
ですって。
それを聞いたトマト男爵、すぐにまた顔が真っ赤になって、
「なんだと!?いったいトマトの何がそんなに嫌なんだ!」
と怒鳴ります。
それからというもの、毎日けんちゃんの夢にはトマト男爵が現れて、トマトの話を繰り広げているのです。
「トマトには栄養がたっぷりなんだぞ!どうだ、食べたくなっただろう」
とトマト男爵が言えば、
「でもでも、少しすっぱいし、やっぱり嫌だ」
と答えます。
それならと、
「じゃあ甘~いドレッシングをかければいい。すっぱいのも気にならんぞ」
とトマト男爵が答えます。
だけどけんちゃんも、
「すっぱくなくても、中身のドロドロしたとこが、何だか嫌!」
と返します。
そんなやり取りを何日も続けていたわけです。
でも、3日、4日と経つうち、トマト男爵も疲れてきたみたい。怒鳴る声も少しずつ小さくなってきました。
だけど、声と一緒にトマト男爵の身体まで小さく、小さくなっていくんです。トマト男爵がどんどん小さくなって、プチトマトくらいになったとき…
「えぇい、いいから食べてみろ!」
と、けんちゃんの口に飛び込んできました。
ごくり!
思わずトマト男爵を飲み込んだけんちゃんですが、
「あれ?そんなにまずくないや」
と、キョトン。
それからはトマト男爵のうるさい声も無くなって、ぐっすり眠れました。
その次の日の夜。けんちゃんの夕飯のサラダにはたくさんのプチトマト。隣ではママが見張っています。
でもでも…
パクリ。
平気な顔でもりもり食べるけんちゃんにママはびっくり。その夜は大好きなハンバーグを2つも食べさせてもらえました。
それから、もうひとつ。
夕飯の後ママが、
「ごほうびに何かあげなきゃね。欲しいものはある?」
と聞いてきました。とっさにけんちゃん、
「えっとね、甘~いドレッシング!」
ですって。
どうやら普通のトマトにも挑戦してみるみたい。これからは夢でうなされることは無さそうです。
みんなも、好き嫌いを言って、トマト男爵に怒られないようにね。
----------(c) Rey all rights reserved.---------------
明日は絵本レビューでも書いてみようかなと思います。
0 件のコメント:
コメントを投稿